チェコのオストラバで開かれるヨーロッパ選手権を観戦するため、公式練習が始まる前日の早朝に飛行機でプラハへと旅立ちましたが、プラハ空港に到着する予定の8時20分を過ぎても、飛行機はまだプラハの上空にいました。
【プラハに着陸できない飛行機】
そもそも飛行機が動き出してから離陸するまでに時間がかかり、離陸の時点で20分以上予定時刻を過ぎていたので、予定通りの時間には着かないだろうなと思っていましたが、パイロットの機内アナウンスで異変に気付きました。パイロットの方によると空港周辺は霧が濃く、空港から着陸許可が出ない状態なので、15分ほど空港からの連絡を待ち、許可が出たら着陸するとのことでした。
燃料は十分あるので9時か10時頃には着陸できるようにしたいとのことでしたが、窓の外を見てみると確かに真っ白で、もし霧が晴れなかったら引き返すのだろうかと不安になり、祈るように窓の外を見つめていました。
しばらくすると再び機内アナウンスがあり、まだ霧が晴れないから45分から50分ほど上空で待機して空港からの連絡を待つとのことで、これはプラハにすらたどり着けないかもしれないと、いよいよ本格的に不安になってきました。
しかし数分後に再びパイロットの機内アナウンスが流れ、熱で少し霧を飛ばして着陸できる状態になったのでこれから着陸するとのことで、無事着陸できそうで良かったと一安心し、プラハに着いてからの日程を確認していました。
そして飛行機は徐々に高度を下げて着陸態勢へと入りましたが、突然方向転換して再び上昇し始め、多分旋回してるんだろうなと自分に言い聞かせていると、再び機内アナウンスが流れました。
何と再び霧が濃くなって着陸できなくなったため、また15分ほど上空で待機するとのことで、あの急上昇はやはり着陸を断念したからなのかと嫌な予感が当たってしまい、着陸できず引き返すという最悪のシナリオが頭をよぎりました。
【最悪の天候とパイロットの頑張り】
どうか霧が晴れますようにと願いながら窓の外を見つめていると、再びパイロットの機内アナウンスが流れ、空港から許可が出たのでもう一度着陸にチャレンジしてみるとのことで、今度こそうまくいきますようにと祈っていました。再び飛行機は高度を下げて着陸態勢へと入りましたが、霧で視界がどんどん悪くなっていき、もはやスケーターを応援するかのように、パイロットの方に「頑張れ!」と念を送っていました。
視界は悪いものの何とか地上の景色は見渡せる状態で、どんどん地面が近づいていくのがわかり、「もう少し、頑張れ!」と心の中で応援していると、ようやく空港の地面が見えました。
そしてガタッという音で無事着陸したことがわかり、演技を終えたスケーターに拍手するようにパイロットの方にも拍手を送りたくなり、音を出さずにエア拍手していると何と乗客から本物の拍手が沸き起こり、私も精一杯拍手して乗客みんなでパイロットの頑張りを称えました。
こんなにハラハラするフライトは生まれて初めてで試合に行く前からスケーターの演技を見届けているような緊張感を味わいましたが、着陸したときも遠くが見えないほど霧が濃かったので、もう予定時刻から1時間遅れたことなどどうでもよく、こんな状況の中見事に着陸したパイロットの方を心から称えたいなと思いました。
こうしてパイロットの頑張りのおかげで何とかプラハまでたどり着き、いよいよ目的地のオストラバへと向かう様子は次回お話しします。
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