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Wednesday, January 11, 2017

空中戦に突入した今でも恋しくなる演技

改訂版 - ビューティフル・モーメント・オブ・フィギュアスケート 2014年ISU世界選手権 Beautiful Moments of ISU World Figure Skating Championships 2014 Saitama Japan (Beautiful Moments of Figure Skating)

オリンピックシーズンを締めくくる2014年の世界選手権がさいたまで行われましたが、3日目の男子フリーではアボットの渾身の演技にアメリカかと思うほどの大歓声が沸き起こり、どの国の選手にも惜しみなく声援を送る日本の観客の温かさを肌で感じ、いよいよ日本男子が登場する最終グループを迎えました。

まずはショート1位でフリーを迎える町田くんが日本男子の先陣を切って登場すると、2年前のスケートアメリカで「火の鳥」を滑る姿を目の前で見ていた私は、あのときのスケアメと同じ衣装で登場する姿にこみ上げてくるものがあり、2シーズンかけて磨き上げてきた「火の鳥」の完成形が見られることをただただ願って見つめていました。

【2シーズンかけて熟成させた火の鳥の最後】

いよいよ激しい音楽に乗せて「火の鳥」の最後の演技が始まり、冒頭の4回転トウループを何とかこらえると、2本目の4回転トウループはダブルトウループをつけて綺麗に決め、続くトリプルアクセル-トリプルトウループも鮮やかに決めました。

そして優しい曲調に変わって後半に入り、2本目のトリプルアクセルを何とかこらえると、足換えキャメルスピンでは鳥が羽ばたくように右手をひらひらと優雅にはためかせ、トリプルループはオーバーターンになりながらも何とかこらえました。

こらえるジャンプが続いて心配になりましたが、続くトリプルルッツは美しく決めて着氷後も両手をくるくると華麗に回す振付で魅了し、トリプルフリップ-ダブルトウループ-ダブルループの3連続も軽やかに決めると、最後のトリプルサルコウも見事に決めました。

ジャンプを無事に終えてすでに感極まっていましたが、全日本でもジャンプを全て決めたものの最後のコレオシークエンスの途中でつまずいてしまったので最後まで油断できず、コレオシークエンスから最後のスピンまで無事に終えるのを見届け、フィニッシュポーズを見てようやく「火の鳥」が完成したんだと感無量でした。

【2年間の成長とこだわりを感じさせる演技】

フィニッシュとともに大歓声が沸き起こり、会場は総立ちで町田くんの勇姿を称え、私も2シーズンかけて完成させた「火の鳥」の最後を見届けることができて感激し、天井席でしたが立ちあがって精一杯拍手を送りました。

この演技が観られただけでも満足でしたが、184.05点という全日本より高い得点でパーソナルベストを更新し、2年前のスケアメでは154.17点だったことを思うと、あれから2シーズンが経ち再び同じ衣装で滑って30点も高い得点を出すなんて夢のようでただただ胸がいっぱいでした。

ワールド・フィギュアスケート 55

そして何よりもこの作品がやっと完成したなと思えたのは予定通りのジャンプを全て飛んだ上で、キャメルスピンで右手をはためかせたりトリプルルッツの着氷後に両手を回したりといった細かいところまで洗練された演技ができたというのが大きく、特に町田くんの「火の鳥」ではトリプルルッツに限らずジャンプ着氷後に独特の振付が盛り込まれているところが大好きで、さらに美しいキャメルスピンでは最初からレベル3の構成でレベルよりも芸術性を大事にしているんだろうなというこだわりを感じました。

あれから男子フィギュアはどんどん進化していき、今や様々な種類の4回転が飛び交う空中戦に突入し、さらにスピンやステップでもレベル4を揃えることが求められるというとんでもなくハイレベルな時代となりましたが、そんな現在の男子ではなかなか見られないような芸術性を追求していた町田くんの演技が今でも時々恋しくなります。

JOE HISAISHI CLASSICS 3:ウィリアムテル序曲/亡き王女のためのパヴァーヌ/組曲「くるみ割り人形」/火の鳥 1919版

こうして町田くんの「火の鳥」の完成形を見届けた後、さらにドラマチックな展開を迎える様子は次回お伝えします。

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Wednesday, September 21, 2016

新たな芽が次々出てくる日本男子の成長

フィギュアスケートDays Plus 2013 Winter 男子シ

有力選手が次々と力をつけ群雄割拠の時代となった日本の男子シングルは、オリンピックシーズンの全日本で世界一過酷な戦いを繰り広げる中、フリーでは大ちゃんの悲壮感あふれる演技に会場中が心を揺さぶられていました。

【台風の目となった日本男子の新たな才能】

そんな大ちゃんの次に登場したのは、彼に憧れて大学までずっと彼の後を追ってきて、今やそんな憧れの選手とオリンピック代表枠を争うまでに成長した町田くんでした。

それまで大ちゃんの演技の余韻を引きずっていましたが、町田くんの成長をずっと見てきて彼を全力で応援しようと心に決めていたので、気持ちを切り替えて彼の成功を心から祈りました。

初めての生観戦で一目ぼれした「火の鳥」の旋律を1年ぶりに生で聴いて、興奮が高まっていく中最初の4回転を何とかこらえて、さらに緊張感が高まる2本目の4回転をコンビネーションにして鮮やかに決め、着氷後に鳥のようにぴょんっと跳び上がる彼とともによっしゃあとガッツポーズしました。

ここから勢いに乗って曲も迫力を増していく中、手と首を大きく使った音ハメが素晴らしく、その疾走感あふれる演技にどんどん引き込まれていき、その勢いのままトリプルアクセル-トリプルトウループのコンビネーションを華麗に決めました。

後半に入って優しい曲調に変わると柔らかい表現で惹きつけ、2本目のトリプルアクセルを決めると着氷後も美しい振付で魅了し、スピンでは手を羽のようにひらひらと優雅にはためかせ、指先まで綺麗で繊細な表現に思わず見とれてしまいました。

穏やかな曲調の中トリプルループを決め、トリプルルッツもこらえると再び曲は盛り上がっていき、トリプルフリップからの3連続を決め勢いに乗って最後のジャンプ、トリプルサルコウを決めて最高の形でエンディングを迎えました。

ついに実力を出し切ることができたと感慨に浸っていると、最後のステップの途中でいきなりつまずいてしまい、あまりに突然のことにあっけにとられ、頭が整理できず放心状態のまま演技が終わりました。

演技後も気持ちが整理できない中、とりあえずジャンプのミスなく大きな山は越えたなということだけはわかり、他の観客と一緒に立ち上がって拍手を送っていると、少しずつ緊張が解けじわじわと安心感で満たされていくのを感じました。

【一人の人間が急成長する姿を見られる幸せ】

この最後に拍子抜けするような感覚は、2011年のグランプリファイナルで一目ぼれした羽生くんの「ロミオ+ジュリエット」以来で、あのときも素晴らしい演技に感動していると最後のジャンプでつまずいてしまい、あっけにとられていたのを思い出して懐かしくなりました。

それでも有力選手の中でショートフリー通してジャンプを予定通り全て決めたのは彼だけで、この厳しい戦いの中でここまで実力を出し切れるようになるなんて、1年前にスケートアメリカで初めて「火の鳥」を観たときには想像もつかなかったなと思い、この1年で本当に強くなったなと一人の人間の成長に心を動かされました。

芸術性に強さが加わったこの「火の鳥」で183点台という素晴らしい得点を叩き出し、この時点で羽生くんに続く2位となり最終滑走者を残して表彰台が確定し、これまでの努力が報われコーチとともに喜びをかみしめる様子に、ここに至るまでの道のりを思い出しこみ上げてくるものがありました。


そんな日本男子の成長を感じた後、いよいよ迎える全日本の男子フリーの結末は次回お話しします。

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Friday, September 9, 2016

20年かけて花開いた遅咲きの選手

エデンの東 新訳版 (1)  (ハヤカワepi文庫)

かつてないほど選手層が厚くなっていた2013年、ソチオリンピック代表を決める全日本選手権は、世界一過酷なオリンピック代表争いといっても過言ではありませんでした。

8年間フィギュアスケートを観てきて、ずっと第一線で活躍していたベテランの選手から最近頭角を現してきた期待の選手まで、これだけ有力選手が集まる試合はもう二度と見れないかもしれないと思い、意を決して全日本のチケットを取りました。

そしてついに迎えた全日本初日、これまでの現地観戦では感じたことのない緊張で生きた心地がしませんでしたが、しっかり見届けようと気を引き締めて男子ショートへと向かいました。

【長年フィギュアを見続けようやく出会った同い年の選手】

日本男子はもはや誰を応援していいのかわからないほど有力選手がひしめき合っていましたが、その中で私と同い年の選手がいました。

それは私が1年前に初めて生観戦したときから惹きつけるものがあり、それから1年経ったオリンピックシーズンに見違えるほど成長していた、町田樹さんです。

それまで多くの選手の活躍を見てきましたが、同世代の選手は多いのに同い年の選手は一人もいないのかと少し寂しく感じていて、初めて彼の鮮烈な演技を目の当たりにしてから気になっていろいろ調べてみると、何と同い年で誕生日も数日違いということがわかって感激しました。

ようやく同い年の選手に巡り合えて、しかもそれが初観戦のときに引き付けられた選手とあって、彼の活躍が自分のことのように嬉しく、同い年の子が1年でこんなに変われるんだと勇気づけられていました。

【自ら運命を切り開いていく姿に胸を打たれた瞬間】

そんな町田くんが男子ショートでは有力選手の中で最初に登場し、極限の緊張感で胸が張り裂けそうになりながらも、ただただうまくいくことを祈って見つめていました。

そしてついに「エデンの東」の優しい旋律が流れ出し、ゆっくりと動き出して最初の4回転へと向かっていく彼を見つめている時間はとてつもなく長く感じられ、絶対決めてほしいと願っていた最初の4回転を着氷し、さらに3回転を付けてコンビネーションが決まった瞬間「よし!」と小さく囁きガッツポーズしている自分がいました。

しかし次はトリプルアクセルだとすぐに気を引き締め、祈りながら見つめたトリプルアクセルも美しく決める彼を見て、このシーズンのテーマにしていた「ティムシェル」という言葉を思い出し、まさに自分の運命を自分で切り開いていく姿がそこにはありました。

そして後半に入りいよいよ最後のジャンプ、トリプルルッツも見事に決めて、クライマックスを迎える曲調と共にこちらも感情が高まり、最後は興奮と感動で胸がいっぱいでした。

演技を終えると彼はゆっくりと握りしめたこぶしを引き寄せ、その後力強くガッツポーズして顔を覆い、かみしめるように何度もガッツポーズする様子を見て感極まってしまい、泣きながらスタンディングオベーションを送りました。

この「エデンの東」という作品に込められたテーマを見事に体現した彼は、93点台という素晴らしい得点でオリンピックへの大きな一歩を踏み出し、20年かけてようやくここまで来た遅咲きの彼に絶対にオリンピックに行ってほしいと思い、彼を全力で応援しようと心に決めました。

EAST OF EDEN ORIGINAL SOUNDTRACK SCORES

町田くんのスケート人生を懸けた全身全霊の演技で幕を開けた男子のオリンピック代表争いはここからさらに熾烈を極め、目まぐるしく変わる展開に心を揺さぶられる様子は次回お伝えします。

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Friday, August 26, 2016

様々な想いで彩られた極上の芸術作品

ビューティフル・モーメント・オブ・フィギュアスケート 2013年   Beautiful Moments of Figure Skating Year 2013  2015/7/8 (Beautiful Moments of Figure Skating)

オリンピックシーズンにグランプリファイナルが日本で開催されるという、日本のフィギュア界に追い風が吹いている状況の中、日本勢にとっては悲喜こもごもの男子ショートを終え、いよいよ勝負のフリーを迎えました。

【追い詰められたときに力を発揮できる強さ】

ショート最下位でフリー第一滑走となったのは、まさかの日本勢トップでファイナル進出を決めた町田くんでした。

固唾を飲んで見守ったフリーの「火の鳥」では、冒頭の4回転トウループを綺麗に決めると、2本目の4回転に2回転を付けてコンビネーションにして、初めて4回転を2本とも完璧に成功させました。

続くトリプルアクセルに3回転を付ける予定が2回転になったものの、前半のジャンプにミスが出なかったことで勢いに乗り、後半のジャンプも一つ一つ丁寧に決めていき、細かい手の動きを織り交ぜた華麗な振付で観客を魅了していきました。

後半は3連続のジャンプが2連続になりましたが、それ以外は予定通りの構成で全てのジャンプを綺麗に決め、フィニッシュでためてポーズを取った後、両手で顔を覆いうずくまりました。

前日のショートの不調から立て直すのがどれだけ大変だったか、感極まる彼を見ているとその想いが伝わってくるようで、見ているこちらまで感極まってしまいました。

【演じる人と見守る人それぞれの想い】

このファイナルでも解説の佐野稔さんが「火の鳥が飛び立ちましたよ!」と大絶賛で、実況のアナウンサーも思わず「まつき」と名前を間違えるほど大興奮でしたが、町田くんだけでなく稔さんも涙しているとのアナウンサーの言葉を聞いて、長年町田くんを見守ってきた稔さんの想いが伝わってきました。

演技後のインタビューでは日本開催のため恩師や家族が見に来ていると話しており、さらに日本のファンも見守る中ショートで力を出せなかったことが悔しく、フリーに全てをぶつけて今までの想いを身体表現で語ったとの言葉に、日本開催の試合にかける強い想いがこの美しい演技を生んだのかと感銘を受けました。

このときの「火の鳥」はジャンプを含む全ての要素を加点付きで綺麗にまとめ、中盤のキャメルスピンで右手を羽のようにひらひらとはためかせたり、トリプルルッツの直後に両手をくるくると華麗に回したりと、細かい振付も丁寧に表現していて美しく洗練された極上の作品に仕上がっていました。


そんな様々な想いがこもった芸術作品を堪能した後は、いよいよ熾烈な優勝争いが佳境を迎えますが、思いがけない展開となったフリーの続きは次回お話しします。

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Tuesday, August 23, 2016

日本開催の試合で見た天国と地獄

羽生結弦「覚醒の時」 (通常版) [DVD]

グランプリシリーズは世界王者パトリックが歴代最高得点を次々と塗り替え、圧巻の演技で当然のように総合1位でグランプリファイナル進出を決めましたが、日本勢もこれまでにないほど選手層が厚くなり全大会で日本人が表彰台に上がり、日本からは3選手がグランプリファイナル進出を決めました。

【世界最高の選手層を誇る日本男子】

日本人でトップとなったのはスケートアメリカでの大躍進で勢いに乗り、ロステレコム杯でも優勝してパトリックと同じく2戦2勝という結果で、総合2位となり文句なしにファイナル進出を決めた町田くんでした。

これまで世界選手権の代表にも選ばれたことのなかった彼が、オリンピックシーズンに日本勢トップでファイナルに進んだという事実は、日本の男子フィギュアの選手層の厚さを示すと同時に、オリンピック代表争いの過酷さを物語っていました。

続いて総合3位でファイナル進出を決めたのは、2戦パトリックと当たるという難しい状況の中、彼の世界記録更新の演技を目の当たりにしながらも、2戦とも2位に踏みとどまった羽生くんでした。

そして日本人3番手で出場を決めたのは、NHK杯で貫禄の演技を見せ見事優勝した大ちゃんでしたが、残念ながら怪我のため欠場することになりました。

そんな大ちゃんの代わりに繰り上がりで出場することになったのは、同じくNHK杯で素晴らしい演技を見せ2位となった織田くんでした。

日本人選手の欠場を日本人選手がカバーすることになったというのは、これも日本の男子シングルの層の厚さを示しており、さらにNHK杯で大ちゃんと織田くんの活躍を生で観た私は、より感慨深いものがありました。

【日本開催のファイナルは波乱の幕開け】

福岡での開催となったファイナルでは日本勢に大きな期待がかかる中、最初に登場した織田くんは最初の4回転で転倒したものの、その後はうまく立て直して何とか80点台に乗せ、4回転で転倒して目が覚めたというコメントが印象的でした。

その後も各選手ミスが出て調子が上がらない中、羽生くんがもはや鉄板ともいえる「パリの散歩道」で、再び歴代最高得点を更新する素晴らしい演技を見せ、一皮むけて貫禄のある選手に成長したなとしみじみ感じました。

その次の滑走となったのは日本勢トップの町田くんでしたが、冒頭の4回転トウループが2回転になってしまった上に、最後のジャンプにも2回転トウループを付けたためノーカウントとなってしまい、技術点をほとんど稼げず信じられないような得点で最下位となってしまいました。

結局ショートでは羽生くん以外の選手はミスが出て調子が上がらず、羽生くんがぶっちぎりのトップでフリーを迎えることになりました。


日本開催のファイナルを最高の演技でスタートした羽生くんの直後に、シーズン初めの勢いからは信じられないほどの不調で最下位に沈んだ町田くんという、日本人にとっては立て続けに天国と地獄を味わうようなショートとなりましたが、さらにドラマチックな展開となったフリーについては次回お伝えします。

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Monday, August 8, 2016

一目見た時から気になっていた選手の覚醒

ビューティフル・モーメント・オブ・フィギュアスケート 2012年 Beautiful Moments of Figure Skating (Beautiful Moments of Figure Skating)

2012年に初めてフィギュアの試合を生観戦した時から、中毒的にハマって何度も繰り返し見てしまう演技がありました。

それは完璧な内容ではなかったにもかかわらず、躍動する手の動きと迫力ある首の動きにより、ダイナミックな曲調を見事に表現していた、町田樹さんの「火の鳥」でした。

【1年前に見た選手の目まぐるしい成長ぶり】

そんな町田くんが1年後のオリンピックシーズンに、同じスケートアメリカの舞台で大躍進していると聞き、さらにフリーは前のシーズンから持ち越しの「火の鳥」だと知り、気になってフリーの演技を見てみました。

そこにいたのは1年前から見違えるように成長し、4回転をバンバン決めて自信に満ち溢れ、一回りも二回りも強くなった町田くんの姿でした。

冒頭で2本の4回転を決めると勢いに乗り、盛り上がる曲調に見事に音ハメされた手と首の動きで観客を惹きつけ、トリプルアクセルからのコンビネーションも見事に決め、素晴らしい滑り出しを見せました。

そして後半もトリプルアクセルを綺麗に決めると、指先まで洗練された繊細な動きで優雅な曲調を引き立て、再び盛り上がる曲調と共に次々とジャンプを決めていき、最後のジャンプを決めると最高潮の盛り上がりとなりました。

最後のジャンプを終えてから演技が終わるまでは、1年前に初めて生で観た時のことを思い出し、1年でここまで成長できるんだと感銘を受け、こみ上げてくるものがありました。

【火の鳥と相性が良い居酒屋解説】

1年前の演技は佐野稔さん解説の動画を繰り返し見ていて、1年後のこの演技も稔さんの解説で見ていましたが、ジャンプが決まるたびに「綺麗でしたねー!」、「凄い!」などと褒めちぎり、演技が終わった瞬間「偉い!」と叫んでいました。

ファンの間では「居酒屋解説」などと呼ばれ、技術的な解説をほとんどしないため賛否両論ありますが、感情をむき出しにして思ったことをそのまま口に出す稔さんの解説は、こういったダイナミックな演技には合ってるなと個人的には思いました。

1年前のスケートアメリカでも解説をしていた稔さんは、「この1年間で町田くんは成長しまくりましたね!」と、実況のアナウンサーも苦笑いするほどのフランクな表現で称えていて、彼の成長に感銘を受けているのが伝わってきました。

そして演技後のインタビューで初めてしゃべる町田くんを観ましたが、しっかりした口調で率直な気持ちと強気な目標を語っており、「絶対にオリンピックスポットを勝ち取りたいと思います!」と宣言するのを見て、目標に向かって突き進む彼を応援したいと強く思いました。


オリンピックシーズンは新たな日本人選手の覚醒とともに幕を開けましたが、これまで次々と有力選手を輩出してきたフィギュア大国日本で、大激戦と言われているチケット争いに初参戦し、ようやく生観戦へと踏み出す様子を次回はお伝えします。

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Friday, July 8, 2016

海外で人生初のフィギュア生観戦


羽生くんの引力により男子フィギュアの世界に引きずり込まれた私は、偶然にも2012年羽生くんとほぼ同時期に北米に渡っており、スケートアメリカに彼が出ると聞いて、勢いでチケットを取りました。

【準備万端で臨んだ初めての現地観戦】

スケートアメリカは思ったよりチケットが安く、しかも前の方の席ががら空きだったので、かなり良い席を取ることができました。

ただ大学に通っていた私は平日見に行くのは難しく、ショートは泣く泣く諦めフリーのみ観戦することにして、しかも終わったらすぐ会場を出ないと帰りの飛行機に間に合わないという、かなりの強行日程でしたが羽生くん見たさで即決しました。

Disney Pumpkin Pooh Bean Bag by Halloween Plush by Halloween Plush [並行輸入品]

この時期はハロウィンが近かったこともあり、かぼちゃをかぶったプーさんのぬいぐるみを投げ入れ用に購入し、さらに日本国旗も手に入れ彼の名前を書き入れた即席の手持ちバナーを作り、空港では他の日本人選手へのぬいぐるみも購入し万全の状態で会場に到着しました。


会場でまず驚いたのは日本人の数で、私の周りの席はほとんどが日本人でした。

そして自分の席がリンクにあまりに近いことにも驚き、こんな近距離で選手の演技が見れるのかと興奮していました。


すると私の隣の席の方がやってきてその方も日本人らしく、その後いろいろお話しさせていただくうちに、彼女は小塚崇彦さんのファンの寄せ書き入りの日本国旗を持って来ており、多くのファンを代表して来ている凄い方だということがわかりました。

【現地観戦デビューは予想外の結末】

そしてついに試合が始まり、後半グループの6分間練習で、初めて羽生くんを含む日本人選手を生で見た時の興奮は今でも覚えています。


まず日本人選手の先陣を切ったのは町田樹さんで、ファンから「たっきーがんば!」と声援を受けていました。

彼の演技をしっかり見たのはこの時が初めてでしたが、ミスがあったものの惹きつけられる魅力があり、その時の「火の鳥」は何度も動画を見返すほど、私にとってお気に入りの作品になりました。

そして小塚くんの出番になると隣の女性が、「たかちゃんがんばー!」と大声で声援を送り、それを皮切りに続々と声援が上がっていきました。

隣の女性は小塚くんの演技中ずっと両手を合わせたお祈りポーズで、ジャンプが決まった瞬間だけ拍手しすぐお祈りポーズに戻っていましたが、近くの席にいた別の小塚くんファンも全く同じ行動を取っていて、ファンの本気の想いをかいま見ることができました。

結果小塚くんは素晴らしい演技で、隣の女性は演技後寄せ書き入りの国旗を振り、その後国旗をリンクにそっと投げ入れているのが印象的でした。

そして最後が羽生くんでしたが、私は声援を送る勇気すら出せず、手持ちのバナーを振って応援するのが精一杯でした。

そして演技序盤の4回転は目の前で転倒してその後もミスが続き、大自爆の演技に呆然としつつも一応プーさんは投げ入れました。

結果は小塚くん優勝、羽生くん2位、町田くん3位と、日本勢が表彰台を独占するという素晴らしい成績でしたが、帰りの飛行機の時間が迫っていた私は表彰式も見れず、羽生くん目当てで来た私にとってはほろ苦い初観戦となりました。

ワールド・フィギュアスケート 55

そんな初観戦だったにもかかわらず、すぐに次の試合のチケットを取り、2度目の観戦に臨む様子は次回お話ししたいと思います。

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