Tuesday, August 23, 2016

日本開催の試合で見た天国と地獄

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グランプリシリーズは世界王者パトリックが歴代最高得点を次々と塗り替え、圧巻の演技で当然のように総合1位でグランプリファイナル進出を決めましたが、日本勢もこれまでにないほど選手層が厚くなり全大会で日本人が表彰台に上がり、日本からは3選手がグランプリファイナル進出を決めました。

【世界最高の選手層を誇る日本男子】

日本人でトップとなったのはスケートアメリカでの大躍進で勢いに乗り、ロステレコム杯でも優勝してパトリックと同じく2戦2勝という結果で、総合2位となり文句なしにファイナル進出を決めた町田くんでした。

これまで世界選手権の代表にも選ばれたことのなかった彼が、オリンピックシーズンに日本勢トップでファイナルに進んだという事実は、日本の男子フィギュアの選手層の厚さを示すと同時に、オリンピック代表争いの過酷さを物語っていました。

続いて総合3位でファイナル進出を決めたのは、2戦パトリックと当たるという難しい状況の中、彼の世界記録更新の演技を目の当たりにしながらも、2戦とも2位に踏みとどまった羽生くんでした。

そして日本人3番手で出場を決めたのは、NHK杯で貫禄の演技を見せ見事優勝した大ちゃんでしたが、残念ながら怪我のため欠場することになりました。

そんな大ちゃんの代わりに繰り上がりで出場することになったのは、同じくNHK杯で素晴らしい演技を見せ2位となった織田くんでした。

日本人選手の欠場を日本人選手がカバーすることになったというのは、これも日本の男子シングルの層の厚さを示しており、さらにNHK杯で大ちゃんと織田くんの活躍を生で観た私は、より感慨深いものがありました。

【日本開催のファイナルは波乱の幕開け】

福岡での開催となったファイナルでは日本勢に大きな期待がかかる中、最初に登場した織田くんは最初の4回転で転倒したものの、その後はうまく立て直して何とか80点台に乗せ、4回転で転倒して目が覚めたというコメントが印象的でした。

その後も各選手ミスが出て調子が上がらない中、羽生くんがもはや鉄板ともいえる「パリの散歩道」で、再び歴代最高得点を更新する素晴らしい演技を見せ、一皮むけて貫禄のある選手に成長したなとしみじみ感じました。

その次の滑走となったのは日本勢トップの町田くんでしたが、冒頭の4回転トウループが2回転になってしまった上に、最後のジャンプにも2回転トウループを付けたためノーカウントとなってしまい、技術点をほとんど稼げず信じられないような得点で最下位となってしまいました。

結局ショートでは羽生くん以外の選手はミスが出て調子が上がらず、羽生くんがぶっちぎりのトップでフリーを迎えることになりました。


日本開催のファイナルを最高の演技でスタートした羽生くんの直後に、シーズン初めの勢いからは信じられないほどの不調で最下位に沈んだ町田くんという、日本人にとっては立て続けに天国と地獄を味わうようなショートとなりましたが、さらにドラマチックな展開となったフリーについては次回お伝えします。

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