お気に入りの男子選手にケヴィンが加わり、俄然気合を入れて世界選手権の初観戦に臨むべく、試合前日は宿泊先のホテルでバナー作りに取り組んでいました。
これまでは小さい国旗や布にマジックで名前を書き込むという即席バナーでしたが、今回は遠くからでも見えるよう大きめの国旗を用意し、さらにラメの入った色付きの紙で選手の名前を一文字ずつ作り、それぞれの選手の国旗に貼り付けていきました。
こうして準備万端で会場に乗り込み、前回と同じくリンクが遠いなと思いつつ、初めての世界選手権ということで興奮を抑えきれませんでした。
【次々と主役が入れ替わる白熱の試合】
そしていよいよ試合が始まり、カナダ人の物凄い声援に迎えられて登場したケヴィンは、「チャンバーメイド・スイング」の音楽に乗せて果敢に2本の4回転に挑み、2本目の4回転の着氷で少しミスが出た以外はクリーンに滑り切りました。世界で初めてショートで2本の4回転を成功した選手として誇りを持ち、自国開催でプレッシャーのかかるワールドでも自分のスタイルを崩さず、カナダ人の観客の前で良い演技を見せられたことに感動し、大声援を送るカナダ人に混ざってバナーを振り続けました。
そしてケヴィンがパーソナルベストを更新し会場が盛り上がる中、次はジュベールだと気持ちを切り替えてバナーを用意し、ファンになってから6年を経て、ようやくジュベールの演技を拝むこととなりました。
長く応援してきた選手だけあって登場したときの感動はひとしおで、天井席にもかかわらず一目見た瞬間に鳥肌が立ち、「本物のジュベールだ!」と興奮していたのを今でも覚えています。
ケヴィンへの物凄い声援の後でしたがジュベールは動じることなく、「ジェネシス」の音楽に乗せて4回転を含むジャンプを全て決め、最後は観客をあおるようにガッツポーズしました。
選手として決して若くはないにもかかわらず4回転にこだわり続け、元世界王者としての貫禄を見せつけるような演技に、カナダ人の観客も熱い声援を送っており、私も生でジュベールのノーミス演技を見て有頂天になり、無心でバナーを振り続けました。
【海外勢の活躍と日本勢に立ち込める暗雲】
そして羽生くんの出番に備えてバナーを用意しつつ、世界新記録を更新し続けてきた「パリの散歩道」をようやく見られると期待していましたが、鉄板だったショートでまさかのミスが続き、信じられないような得点と順位に動揺が隠せませんでした。そんな不穏な空気の中次に登場したのはデニス・テンでしたが、「アーティスト」の音楽に乗せた彼の演技は素晴らしく、4回転などのジャンプを全て決めただけでなく、彼の優雅な表現にも魅せられました。
これは当然スタンディングオベーションだろうと思いましたが、彼が当時カナダであまり有名ではなかったのか周りは誰も立ち上がらず、一人立ち上がる勇気もなく座ったまま精一杯拍手を送りました。
すると90点を超える高得点が出て、自分の目は間違ってなかったなと少し救われました。
そして最終滑走のパトリック・チャンの登場で会場は最高潮の盛り上がりとなりましたが、彼はその自国開催のプレッシャーに負けることなく、「エレジー」の音楽に乗せて素晴らしい滑りを見せ、カナダ人の期待に見事に応えて見せました。
そして当然のようにパトリック1位、そしてケヴィンが見事3位となり、カナダ勢にとっては順調な滑り出しとなりましたが、日本勢は高橋大輔さんが4位に踏みとどまったものの、羽生くん9位、無良崇人選手11位と、まさかの3枠が危うい状況となりました。
こうして波乱続きの男子ショートが終わり、不安を抱えながら迎えた男子フリーの様子は次回お伝えしたいと思います。
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