Saturday, November 19, 2016

【最新】世界遺産で感じたロシアの影


フィン杯初日を締めくくる女子ショートでは、大好きなポゴちゃんが無事に演技をまとめてトップに立ち、さらに真央ちゃんの上質の芸術作品に魅了され、充実感とともに会場を後にしました。

【エスポーの会場からヘルシンキの宿へ移動】

試合が終わる頃には夜10時を回り外は真っ暗でバス停に戻る道がわからなくなり、とりあえず人の流れに乗っていくと10分ほどでバス停に到着しましたが、田舎で夜遅いためかヘルシンキ行きのバスがなかなか来ず、会場でパーカーを買わなければ凍えてただろうなと思いつつパーカーのフードをかぶって寒さをしのぎました。

ようやくバスが到着して暖かい車内で一息つき、終点のKamppiで降りるとここでも夜になってすっかり様変わりした景色に惑わされましたが、昼に乗り換えた記憶を頼りに何とかトラム乗り場にたどり着きました。

トラムがフェリー乗り場の最寄り駅に着く頃にはもう深夜でマーケット広場も人の気配がなく、寒空の下急ぎ足でフェリー乗り場へ向かいましたが次の便は数十分後で、待合室はホームレスらしき人がベンチで横になっていて入りづらく、外で待っていると観光客らしき女性がタクシーでやってきて待合室に入っていきました。

あまりに寒いので私も中に入ろうかなと迷っていると別のホームレスらしき人が外のごみ箱を漁り始め、居心地が悪くなり結局中に入りましたが、ごみを漁っていた人も入ってきてベンチで横になっている人と話していて、ここはホームレスのたまり場なのかなと思いましたが特に危険な感じではなさそうで安心しました。

ようやくフェリーが来たので公共交通機関で使えるday ticketを用意しましたがチケットの確認すらされず、宿がある島に到着する頃にはもう真夜中で、同じ宿かなと思いフェリーに乗っていた人に付いていくと、宿ではなく住宅街に向かっているようだったので慌てて来た道を引き返しました。

宿の場所がわからず藁をもすがる思いで島の地図を見てみると宿の名前があり、それらしき方向に向かうと電気がついている建物を発見し、入口へ行くと宿の名前が書かれていて暗証番号を入力するとロックが解除され、無事宿に到着して一気に肩の荷が下りました。

【世界遺産の島で思い知るロシアの厳しさ】

今回予約したのはロシアから守るための要塞としての歴史を持ち世界遺産に登録されているスオメンリンナ島にある「ホステル スオメンリンナ」のドミトリールームでしたが、受付は夕方に閉まるため夜チェックインする際はルームキーが入った封筒を指定のボックスから取り出し、翌朝受付で料金を支払うというシステムでした。

誰かが寝ているかもしれないため静かに部屋に入ると真っ暗な部屋の中から「Hello?」と男性の声が聞こえ、「ハロー。今チェックインしたんだけど、電気つけていい?」と確認して部屋の電気をつけるとたくさんの二段ベッドがあり、奥のベッドの上の段に一人の男性がいました。

「起こしちゃってごめん、これって好きなベッド選んでいいの?」と確認してドアの近くのベッドに荷物を置き、その男性に頼まれベッドの下のコンセントに充電器をつなぎ、急いでベッドメイキングを済ませて電気を消し、部屋を出て近くの休憩所でパソコンなど充電しながらこの日ずっと気になっていたことを調べ始めました。

久々の生観戦を楽しみながらもずっと心の片隅にあったのはパンフレットに書かれていたコリャダくんのショートの曲「The Last Airbender by James Newton Howard」で、おそらくロシアのスケート連盟に却下されお蔵入りになったプログラムだろうと思い、ネットで調べてみると壮大でドラマチックな映画音楽で、昨シーズンからガラッと雰囲気を変えて新境地を開けたかもしれないなと思うほど可能性を感じる曲でした。

実はコリャダくんだけは動画で今シーズンのプログラムを確認していたのですが、持ち越しのショートと新しく作ったフリーの曲調が似ているという意見が少なからずあり、もしこの曲が新しく作ったショートだとしたらフリーとは対照的で凄く良かっただろうなと歯がゆさを感じました。


しかも来シーズンはオリンピックがあるため、今シーズンはショートもフリーも新しいプログラムを試して感触の良い方を来シーズンに持ち越すことができた可能性を考えると、プログラムに関する指示はそれだけ力を入れて育てようとしている証拠かなと思いつつも、オリンピック前に冒険できる最後の機会がこんな形で失われるのは本当にもったいないなと思いました。

本格的にロシアの選手を応援するのはコリャダくんとポゴちゃんが初めてですが、新しいプログラムを却下されるのはロシアでは珍しくないようで、こういうことも受け入れないといけないんだなとロシアの厳しさを思い知りました。


そうこうしているうちに夜が明け、前日の空港泊もありベッドで寝られる幸せを噛みしめながら眠りにつき、いよいよフィン杯2日目を迎える様子は次回お伝えします。

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