オリンピックシーズンの集大成となる世界選手権が全日本と同じさいたまで開かれるということでチケットを何とか確保し、初日は男子ショートの最終グループの途中からしか観られませんでしたが、素敵な演技をいくつも観ることができて短くも充実した時間を過ごし、いよいよ2日目を迎えて期待を胸に女子ショートへと向かいました。
ソチオリンピックで金メダルを争ったアデリナ・ソトニコワとキム・ヨナが不在の世界選手権で、女子の注目は何といっても真央ちゃんでしたが、ソチオリンピックのショートではミスが続いて信じられない順位に沈んでしまったので、ここであのときの悔しさを晴らすことができればいいなと願っていました。
【オリンピックの雪辱を果たすショート】
「ノクターン」の軽やかな音楽に乗せて真央ちゃんの演技が始まり、明るいピアノの音色とは裏腹に会場は冒頭のトリプルアクセルに向けて緊張感が高まっていきましたが、トリプルアクセルを見事に決めると割れんばかりの大歓声が沸き起こり、会場が一つになった気がして鳥肌が立ちました。続いてトリプルフリップも鮮やかに決めるとそのまま流れるようにスピンに入り、後半のトリプルループ-ダブルループも軽やかに決めると、ステップではこぼれ落ちるピアノの音を一つ一つ拾っていくような柔らかい表現が心地よく、最後のスピンまでピアノのきらきらした音色と一体化して曲の世界観を見事に表現していました。
【軽やかに塗り替えられる世界記録】
会心の演技に会場は総立ちで歓声を送り、花やぬいぐるみが雨のように降り注ぐこの日一番の盛り上がりを見せましたが、トリプルアクセルを入れた高難度のプログラムにもかかわらず、最初から最後まで流れるような演技で曲の世界観に自然と溶け込んでいたのが何よりも凄いなと思いました。そして78.66点という得点が発表されると会場は再び割れんばかりの大歓声に包まれましたが、私はこれまで聞いたことのない得点に「もしかして世界記録?」と何となく感づき、あんなに軽やかな演技で世界最高得点が出せるなんて信じられないとあっけにとられつつ、もしこれがオリンピックでできていればという思いもこみ上げてきました。
こんなにさらっと世界記録が出せる真央ちゃんはこのとき間違いなく世界一の女子スケーターだったと思いますが、前回バンクーバーオリンピックで銀メダルに終わった後の世界選手権で優勝していたこともあり、美姫ちゃんと同様なかなかオリンピックにうまくピークを合わせられないもどかしさはありますが、そんな不器用なところも日本女子の愛すべきところなのかなと感じました。
こうして女子ショートでは真央ちゃんの世界記録更新という歴史的瞬間を目の当たりにしましたが、翌日の男子フリーでさらなるドラマを目撃する様子は次回お伝えします。
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