世界一過酷なオリンピック代表選考会となった2013年の全日本を経ていよいよ2014年のソチオリンピックを迎えましたが、大好きな美姫ちゃんがいないオリンピックを観るのは初めてで、特に女子は誰を応援するというわけでもなくフラットな目線で観ていましたが、ショートでは予想外の展開に驚きを隠せませんでした。
それは金メダルが期待されていた真央ちゃんが冒頭のトリプルアクセルで転倒してしまい、さらに最後のトリプルループからのコンビネーションがダブルループに抜けてコンビネーションにできず、立て続けのミスで得点を大きく失い、ショート16位という信じられない順位に沈んでしまったことでした。
トップの選手達とは20点近く離されてしまい、金メダルどころか表彰台すら絶望的な状況でフリーを迎え、第2グループという誰も予想していなかった滑走順で登場した真央ちゃんを、テレビの前で固唾を呑んで見つめていました。
【背水の陣で臨んだ決死のフリー】
「ピアノ協奏曲第2番」に乗せて真央ちゃんの演技が始まり、冒頭のトリプルアクセルを見事に決めると、続くトリプルフリップ-トリプルループのコンビネーションも決め、さらにトリプルルッツも決めて順調な滑り出しを見せました。そしていよいよ大事な後半に入り、ダブルアクセル-トリプルトウループのコンビネーションを決めると、続くトリプルサルコウも鮮やかに決めて、畳みかけるようにジャンプを次々と決めていく真央ちゃんに夢中になっていました。
さらに盛り上がる音楽とともに緊張感が高まる中、トリプルフリップ-ダブルループ-ダブルループの3連続も決めていよいよ最後のジャンプ、トリプルループを見事に決めると鳥肌が立ち、最後のステップはあまりに神々しく一人の人間が神になる瞬間を目撃している気がしました。
しかし演技が終わり涙する真央ちゃんを見て、ああやっぱり人間なんだなと思って涙がにじみ、演技後しばらく言葉を発しなかった実況のアナウンサーが、「これが浅田・・・・・・真央です。」と絞り出すように言った言葉が頭から離れませんでした。
女子では誰も飛んでいなかったトリプルアクセルにショートから果敢に挑み、フリーでは全種類のトリプルジャンプを入れるという史上最高難度のジャンプ構成を見事にやってのけ、確実に勝ちに行く構成ではなく自分のこだわりを守り抜く構成を選んだ真央ちゃんは、誰よりもアスリートらしいアスリートだなと思いました。
【フィギュアに対する意識が変わった瞬間】
この圧巻の演技で142点台と自己最高得点を叩き出し6位まで順位を上げましたがもう得点や順位などはどうでもよく、演技後には杉浦アナが涙声で言葉を詰まらせながら話していたのが印象的で、真央ちゃんの人気はトリプルアクセルが飛べるからとか純粋で可愛らしいからとかそんな単純なものではなく、苦しみもがきながらも自分を貫き続ける姿が多くの人の心を動かしてきたんだなと実感しました。私はフィギュアを観始めたときからずっと美姫ちゃんに夢中でしたが、美姫ちゃんへの思い入れが強すぎるあまり他の女子選手の演技としっかり向き合っていなかった気がして、これまでの私はフィギュアファンではなく美姫ちゃんファンだったのかなと感じ、これからは全ての選手と向き合う本当のフィギュアファンになりたいなと思わせてくれた真央ちゃんの演技でした。
ラフマニノフ : ピアノ協奏曲 第2番 | 第3番 (Rachmaninov : Concertos pour piano 2 & 3 / Boris Berezovsky (piano), Dmitri Liss (direction), Orchestre Philharmonique de l'oural) [輸入盤]
こうしてフィギュアに対する見方が変わったオリンピックを経て、オリンピックシーズンの集大成となる世界選手権の観戦に臨む様子は次回お伝えします。
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