Friday, December 16, 2016

【最新】B級大会ならではの楽しみ方


フィン杯3日目はアイスダンスとシンクロの公式練習を初めて見学し、男女シングルとのあまりのスタイルの違いに驚き、多彩な楽しみ方ができるフィギュアの奥深さを感じつつ、ついに待ちに待った男子ショートを迎えました。

【フィン杯男子ショート第1グループ】

第1グループからネイサンやマヨロフなど豪華な顔ぶれでしたが、そんな中6分間練習で特に気になったのは、トマシュ・ベルネルが指導するチェコのイジー・ベロラドスキーで、鮮やかな衣装が目を引き思わず連写しました。




やっぱりユーロ選手のド派手な衣装は良いなと思い、いつかユーロの大会でカラフルな衣装をひたすら撮りたいなと、淡い夢を抱いている間に第1グループの演技が始まり、ユーロ選手達とは正反対の真っ黒な練習着姿でネイサンが登場しました。

「海賊」に乗せてネイサンの演技が始まり、4回転フリップからのコンビネーションを飛ぶらしいと聞いていたので楽しみにしていると、目の前で4回転からのコンビネーションを見事に決めましたが、踏切がどう見てもルッツだったので一瞬混乱しました。

私は今4回転ルッツを目撃したのかと衝撃を受け、あんなに短い助走から4回転ルッツが飛べるのかと驚愕しましたが、実際飛んだときの反応は観客の一人が「フゥ!」と軽く歓声を上げたぐらいで、あまりに軽い反応に驚きを隠せませんでした。

私がフィギュアを観始めた頃は4回転ルッツなんて夢の世界で、決めたときは物凄い歓声が起きるんだろうなと想像していたので、想像と現実とのギャップに戸惑いましたが、この軽い雰囲気もまたB級大会の味わいなのかなと思うとそれはそれで面白かったです。


そしてもう一つ面白いなと思ったのは、男子の演技後フラワーガールではなく男の子が花やぬいぐるみを拾っていたことで、このとき初めてフラワーボーイという存在を知り、男の子が花を拾っている様子は新鮮でした。



こうして様々な発見があった第1グループでは、4回転ルッツという大きな武器を手にしたネイサンが、転倒があったにもかかわらず87点台という高得点でトップに立ち、いよいよパトリックが登場する第2グループを迎えました。

【フィン杯男子ショート第2グループ】

6分間練習ではパトリックが目の前でトリプルアクセルを確認していましたが、着氷後にふわっと手を広げて飛び上がる振付はまさに鳥のようで、パトリックの魅力は上質の滑りだけではなく、一つも無駄な動きがない所作の美しさも相まって洗練された芸術作品が生まれるんだなと実感しました。




こうしてパトリックに見とれている間に6分間練習は終わり、第2グループでは最終滑走のパトリックを前に、初日から気になっていたペトロフくんが登場し、ユーロらしい華やかな衣装を連写しました。



「リチュアルダンス」に乗せてペトロフくんの演技が始まり、まずトリプルアクセルを決めると、続くトリプルルッツ-トリプルトウループはルッツがダブルに抜けてしまいましたが後半のトリプルフリップは見事に決めて、特に着氷姿勢が格好良いなと思いました。

しかも着氷姿勢だけでなく一つ一つの動きに迫力があり、全身を大きく使った演技に17歳とは思えないほどの貫禄を感じ、曲の壮大な雰囲気にも負けないオーラがあり、真央ちゃんとはまた違った魅力を感じられる作品でした。

真央ちゃんは黒髪に黒い衣装で大人の美しさを感じましたが、ペトロフくんは金髪に金の衣装できらびやかな雰囲気を醸し出し、同じ曲でも選手の個性や衣装によってこんなに印象が変わるんだなと感じ、どちらの「リチュアルダンス」も味があって素敵だなと思いました。



そしていよいよ「ディア・プルーデンス」に乗せてパトリックの演技が始まり、4回転とトリプルアクセルでは着氷でつまずき手をついてしまいましたが、「ブラックバード」の優しい旋律とともに後半に入ると、トリプルルッツ-トリプルトウループを何とか決めてリカバリーしました。

練習と同様ジャンプはあまり決まらなかったものの、ジャンプがなくても滑りや所作の美しさに魅了されるプログラムだなと改めて感じるとともに、これだけミスしても悲壮感を感じないのはやはりB級大会だからだろうなと思い、ミスなど気にせず作品を純粋に楽しめるのもB級大会の魅力だなと思いました。

会場では気づきませんでしたが演技後に鼻血が出ていたことを後で知り、そんな状態でも演技後は笑顔を浮かべていて、今シーズン初戦が気楽に臨める大会で良かったんだろうなと感じ、のびのび楽しんで滑っているのが伝わってくる素敵な演技でした。

円熟の滑りを見せたパトリックは、2つミスしたにもかかわらず84点台という予想以上の高得点で2位につけ、上質の演技が評価されて良かったと一安心し、いよいよ最終グループの6分間練習を迎えました。


最終グループではコリャダくんが登場し、予想外の展開に心乱れる様子は次回お伝えします。

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