Monday, September 12, 2016

波乱の一日を締めくくる全日本名物

フィギュアスケートDays Plus 2011‐2012男子シングル読本

オリンピックシーズンの全日本を初めて生で観戦し、目の前で次々と巻き起こるトップ選手達のドラマに心を揺さぶられてきた男子ショートですが、そんな波乱の一日を締めくくる選手の登場で再び会場は熱気に包まれました。

【密かに楽しみにしていた全日本名物の登場】

豪華な顔ぶれの中最終滑走で登場したのは、日本男子のエンターテイナーとして観客を楽しませてきた全日本の名物選手、佐々木彰生さんでした。

私がフィギュアを見始めてからは高橋大輔・織田信成・小塚崇彦の男子3強時代が長く、さらに羽生結弦・町田樹と新たな選手の躍進もあり、日本男子のレベルの高さ故なかなかお茶の間で彼の演技を観る機会がなかったため、全日本はそんな個性あふれる選手の演技を観れるというのが一つの楽しみでもありました。

そんな全日本の密かな楽しみだった彰生さんの登場に会場からは大きな声援が送られ、彼の人気ぶりを肌で感じるとともに、この世界一過酷なオリンピック選考会で最終滑走を引き当てる彼はやはり持ってるなと思いました。

演技前の体を大きくひねった独特のポーズから、「風神」の勢いある旋律に乗せてキレの良い動きで観客を惹きつけ、序盤からいきなり大きな手拍子が沸き起こりました。

観客からの手拍子に後押しされ、勢いよく向かった最初のトリプルアクセルは転倒してしまいましたが、続くトリプルルッツからのコンビネーションは見事に決めて立て直しました。

後半も曲が盛り上がっていく中、全身を使ったキレのあるステップで会場を盛り上げ、自然と手拍子も大きくなっていきました。

キレキレのステップで勢いに乗って迎えた最後のジャンプ、トリプルフリップは片手を上げて華麗に決め、フィニッシュは二の腕を見せる独特のポーズで最後まで観客を楽しませました。

【張り詰めた空気を和ませる稀有な存在】

個人的には演技前とフィニッシュのポーズが面白いなと思っていて、それを楽しみに観ていたところがあったのですが、キレキレのステップや片手を上げたジャンプなど華麗な動きにも魅了され、手拍子しながら楽しんで観ることができました。

自身の名前が書かれたうちわを持って笑顔で採点を待つ姿には癒され、点数が出てガクッと肩を落とす様子も微笑ましく、あれだけ緊張感で張り詰めていた全日本をこんな和やかな形で締めくくれるのは彼しかいないなと確信し、改めて全日本になくてはならない存在だなと感じました。


こうして長かった一日が終わり、男子ショートの結果は羽生くん1位、町田くん2位、小塚くん3位でトップ3選手が全員90点以上という、これまで観たこともないほどハイレベルな全日本の幕開けとなりました。

しかし翌日の女子ショートではさらにハイレベルな戦いが待ち受けており、日本女子の強さを目の当たりにした女子ショートについては次回からお話しします。

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