Saturday, September 24, 2016

世界一過酷な全日本で最も光った演技

ビューティフル・モーメント・オブ・フィギュアスケート 2013年ISUグランプリシリーズ - ロステレコム杯Beautiful moments of ISU Grand Prix Cup of Rostelecom Moscow 2013 (ビューティフル・モーメント・オブ・フィギュアスケート 2013年ISUグランプリシリーズ - ロステレコム杯Beautiful moments of figure skating)

4年に1度のオリンピック、その世界一過酷な代表選考会となった2013年の全日本もいよいよ最終日を迎え、今日全てが決まるんだと覚悟を決めて女子フリーへと向かいました。

女子フリーも男子と同じく最終グループに有力選手が固まっており、これが全日本最後の演技になる選手もいるかと思うと、6分間練習から一瞬たりとも目が離せませんでした。

【最初から最後まで観客を惹きつける驚異の才能】

そしてこの全日本最後の6分間練習が終わり、有力候補の先陣を切って最初に登場したのは、「戦場のメリークリスマス」に乗せた美しい演技でショート4位となり、シニアデビューにしてオリンピックを狙えるところまできた知子ちゃんでした。

「ポエタ」の荘厳な音楽とともに演技が始まり、冒頭のトリプルルッツ-トリプルトウループのコンビネーションを決めると、逆回転のスピンで序盤から観客を引き込み、トリプルフリップは軸が傾きましたが何とか着氷しました。

さらにトリプルループ、ダブルアクセルと立て続けにジャンプを決めていき、ここから静かな曲調へと変わり後半に入ると、ダブルアクセル-トリプルトウループのコンビネーションを決めて安定感を見せました。

そして切なく静かな旋律に乗せて、しなやかな腕使いと柔らかい上半身の動きで洗練された見事なステップを見せ、会場からは自然と拍手が沸き起こる中、トリプルルッツからの3連続も落ち着いて決めました。

ここから美しいレイバックスピンで魅了し、静かに手を叩いて最後のジャンプ、トリプルサルコウも鮮やかに決めて曲はどんどん盛り上がっていきました。

クライマックスを迎える曲とともにスピードに乗り、美しく安定したスパイラルで観客を惹きつけると、その勢いのままに体全体を大きく使った疾走感あふれるステップでどんどん盛り上げ、最後のスピンが終わると音楽に合わせてピタッと止まるフィニッシュポーズでかっこよく締めくくりました。

あまりに素晴らしい演技に感動して鳥肌が立ち、演技が終わった瞬間から歓声と拍手が会場中に響き渡る中、私も立ち上がって全力で拍手を送りました。

【全ての動作が美しく洗練された完成度の高さ】

前日の男子フリーからこの女子フリーまで、この全日本では実績を積み重ねたベテランから将来が楽しみな若手までいろんな選手のフリーの演技を見てきましたが、私の目にはシニアデビューの彼女の演技が最も完成度が高く洗練された美しい演技に映りました。

それは単純にジャンプを全て決めたノーミスの演技だからというだけではなく、一つ一つの動きが洗練されていて、スピンやステップではどこを切り取っても美しく、一瞬たりとも目が離せない極上のプログラムに仕上がっていたからだと思います。

シニアデビューにしてここまで完成度の高い演技ができるなんて、これから彼女はどこまで進化していくんだろうと期待が膨らみ、彼女の成長をずっと見守っていきたいと強く思いました。

この鮮烈な演技で125点台という高得点を出し総合得点も190点を超え、シニアデビューの彼女が一気にオリンピックへのハードルを引き上げる素晴らしい戦いぶりを見せました。


そんな若手の素晴らしい演技の後、ベテラン勢の登場により女子も熾烈な戦いが繰り広げられる様子は次回からお話しします。

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