Wednesday, September 28, 2016

生観戦により孤独から解放された瞬間

ワールド・フィギュアスケート 19

オリンピックシーズンを現役最後のシーズンとして迎える選手は多く、特にこの2013年の全日本は多くの有力選手が最後の全日本として臨んでおり、私も覚悟を決めてそれぞれの最後を会場で見届けていました。

【覚悟を決めて見届けた大好きな選手の最後の姿】

そんな全日本最終日の女子フリーでは、明子ちゃんが現役最後の全日本を素晴らしい演技で締めくくるのを見届け、いよいよ私が8年間応援してきた選手の出番がやってきました。

それは女子初の4回転や二度の世界女王など数々の実績を積み重ね、出産を乗り越えて迎えたこの全日本で、ショートではノーミスの演技でその復活を印象付けた美姫ちゃんでした。

彼女の登場に会場中から多くの声援が送られ、その声援を聞いて涙を拭う彼女に演技直前にもかかわらず会場から温かい拍手が送られ、会場のファンのあまりの温かさに私も演技前からすでに感極まってしまいました。

そんな中「火の鳥」の迫力ある旋律に乗せて彼女の最後の演技が始まり、冒頭のトリプルルッツ-ダブルループを鮮やかに決めて全盛期の片鱗を見せましたが、続くトリプルサルコウはシングルになってしまいました。

しかしそこからダブルアクセル-トリプルトウループを決めて立て直し、2010年に優勝した全日本と同じレベルのコンビネーションジャンプをこの全日本でも見ることができて、彼女のジャンプの才能を会場で改めて感じることができました。

そして穏やかな曲調に変わった後半最初のジャンプ、トリプルルッツもシングルになってしまい、このときこれが彼女の現役最後の演技になるだろうと自分の中で覚悟が決まりました。

続くトリプルサルコウは綺麗に決まり、さらに2本目のトリプルサルコウはダブルトウループを付けてオーバーターンになりながらもコンビネーションにし、3回コンビネーションジャンプを入れるという意地を見せました。

そして最後のジャンプ、ダブルアクセルを鮮やかに決めると、最後はステップから空を飛んでいるようなスパイラルで演技を締めくくりました。

このとき彼女は本当にリンクから飛び立っていってしまったんだなと思い、会場から温かい拍手と声援が送られる中、心が空っぽになった気分で彼女がリンクから去るのを見届けました。

【第一線で戦い抜いた選手を送り出す温かい拍手】

キスアンドクライで涙を流す彼女の姿が映し出され、106点台という得点が発表されると会場からは温かい拍手が送られ、いつまでも止まらない拍手に彼女の涙も止まらず、私も人目を気にしていられないほど涙があふれてきて必死に涙を拭いながら拍手しました。

それまで周りにフィギュアのファンもほとんどいなかったので、彼女をお茶の間で一人応援してきましたが、このとき周りを見渡すと私以外にも泣いている人がいて、長年一人でファンを続けてきた孤独からようやく解放された気がしました。

明子ちゃんのような有終の美とはなりませんでしたが、ショートではノーミスの演技を観ることができて、そしてフリーではファンの温かさを感じることができて、勇気を出して全日本を観に来て良かったなと心から思いました。

彼女がいないここ数年は男子にすっかりのめり込んでいましたが、この全日本で何よりも観たかったのは彼女が滑っている姿で、これから先どんなに素晴らしい選手が出てこようとも、私の中では彼女がずっと一番好きな選手であることに変わりはありません。

戦メリで私にフィギュアの世界を教えてくれて、私の人生を大きく変えてくれた美姫ちゃんには感謝してもしきれません。

これまで厳しい世界でずっと第一線で活躍し続け、ファンにたくさんの希望を与えてくれたので、これからは娘さんとともに穏やかで充実した日々を過ごせるよう心から祈っています。


そんな大好きな選手の最後を見届けた後、いよいよ長かった全日本の戦いも終盤を迎える様子は次回お話しします。

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