Wednesday, September 7, 2016

クラシックに乗せて個性を見せる選手達

ロッシーニ序曲集

序盤から想いのこもった芸術作品に心を動かされ、日本勢のさらなる活躍に期待がかかるグランプリファイナルの男子フリーでは、いよいよ優勝争いが佳境を迎えました。

【失敗しても諦めない強さを見せた二日間】

日本人二番手として登場したのは、ショートでは最初の4回転で転倒したものの3位に踏みとどまり、優勝を狙える位置に付けた織田くんでした。

今日こそは4回転が決まりますようにと祈りながら迎えたフリーでは、「ウィリアム・テル序曲」に乗せて軽快に滑り出し、このまま勢いに乗って行くかと期待が膨らむ中、最初の4回転で再び転倒してしまいました。

しかし転倒後すぐさま立ち上がり、曲が盛り上がっていく中再び挑んだ4回転では3回転を付けて見事に決め、続くトリプルアクセルも膝のクッションでうまく着氷してコンビネーションにつなげ、勢いを取り戻していきました。

後半もトリプルアクセルを皮切りに美しい猫足着氷で次々とジャンプを決めていき、トリプルループで両足着氷になった以外は見事な出来で、最後のジャンプが決まると有名なフレーズと共に笑顔で見せ場のステップに入り、躍動感あふれる演技で観客を盛り上げていきました。

演技後は足を引きずっていて少し心配でしたが、175点台という高得点で表彰台が確定して本人も嬉しそうで、昨日と同じで最初の4回転で転倒して目が覚めたという愛嬌あるコメントには癒されました。

【安定感を手にした盤石の世界王者】

続いて登場したのは日本勢の最大のライバルで、このオリンピックシーズンも世界記録を更新し続け、ショートは2位でしたが優勝候補筆頭のパトリックでした。

世界記録を更新した盤石のフリー「四季」では、最初の4回転からのコンビネーションで3回転が2回転になったものの、続く4回転とトリプルアクセルを見事に決め、序盤から衣装をはためかせるほどの疾走感で観客を引き込んでいきました。

後半のスローパートでも次々とジャンプを決めていき、雄大に泳ぐイルカのように縦横無尽にリンクを駆け回り、再び盛り上がる曲とともに最後のジャンプを決めると前回と同じく見事なクライマックスで観客を惹きつけ、最後のスピンでぐらつきましたが今回も素晴らしい演技でした。

ようやく日本で良い演技ができたと本人も嬉しそうで、自身が更新した世界記録に迫る192点台という素晴らしい得点で優勝に大きく近づきました。

Vivaldi: Le quattro stagioni / Albinoni: Adagio / Corelli: Christmas Concerto

次々とクラシックに乗せた素晴らしい演技が続く中、この後さらなるドラマが巻き起こりますが、長くなりますので結末は次回お伝えします。

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