Tuesday, September 13, 2016

長年の夢が次々と叶っていく幸せな時間

Merry Christmas, Mr. Lawrence: Soundtrack From The Original Motion Picture

オリンピックシーズンの全日本では、初日から男子の大熱戦を目の当たりにして、女子の戦いはどうなるだろうと想像するだけでも胃が痛くなりましたが、二日目も気を引き締めて会場に向かいました。

【フィギュアの世界を知った思い出の作品】

女子もオリンピック代表候補のトップ選手がひしめき合う大混戦の中、ショートで有力候補として最初に登場したのは、先シーズンの全日本でジュニア選手ながら3位となり初めて表彰台に上がった、宮原知子選手でした。

彼女のショートは8年前の全日本で美姫ちゃんが滑っていて、フィギュアを観るきっかけになった「戦場のメリークリスマス」ということもあり、特別な思いで見つめていました。

静かなピアノの旋律に乗せ、しなやかな動きで観客を惹きつけるステップから始まり、その美しいステップに会場からは自然と拍手が沸き起こりました。

そこから穏やかなメロディーラインに乗せてトリプルルッツからのコンビネーションを見事に決め、さらに美しいビールマンスピンで観客を魅了しました。

中盤では「ラストエンペラー」の疾走感ある曲へと変わり、勢いに乗ってトリプルフリップを決め、続くドーナツスピンも綺麗でただただ見とれていました。

そして再び「戦場のメリークリスマス」の曲に戻ると、盛り上がる曲調と共に自然と手拍子が大きくなり、曲の一番の盛り上がりでダブルアクセルを鮮やかに決めると、終盤の畳みかけるようなピアノの旋律に合わせた見事な逆回転スピンで最後まで観客を惹きつけました。

心が洗われる素敵な演技に観客は総立ちで、私もただただ感動してスタンディングオベーションを送り、しばらくこの美しい作品の余韻に浸っていました。

純粋無垢な少女が可憐に滑る姿を観て8年前に美姫ちゃんがこの曲に乗せて滑っていたのを思い出し、それ以来いつか生で戦メリの素敵な作品を観たいなと思っていましたが、知子ちゃんのステップ・ジャンプ・スピン全てが美しい完成されたプログラムを観て、ようやくその夢が叶ったんだなと幸せな気持ちで満たされました。

この完成度の高い演技に66点台という高得点が出て、ジュニアから上がったばかりの選手がオリンピック代表争いで素晴らしいスタートダッシュを見せました。

【8年越しの想いがついに実った瞬間】

そしていよいよ最終グループとなり、6分間練習で長年憧れていた美姫ちゃんの姿を見つけた瞬間、ああ本物の安藤美姫だと鳥肌が立ちました。

8年間憧れていた選手の演技がついに観れるなんて信じられないという気持ちで、心の準備もできないまま第一滑走の彼女の出番がやってきて、会場からの温かい声援を聞いてこれだけのファンが彼女を支えているんだと嬉しくなり、すでに感極まりそうになるのを何とかこらえてこれから始まる演技に集中しました。

「マイ・ウェイ」の優しい旋律と共についに彼女の演技が始まり、最初のジャンプまでただただ食い入るように見つめていましたが、トリプルトウループ-トリプルトウループのコンビネーションを見事に決め、あまりの嬉しさによっしゃあと声を殺して叫びガッツポーズしてしまいました。

さらに得意のトリプルルッツも鮮やかに決めて、彼女の華麗なジャンプが目の前で観られるという奇跡に感激してしまい、演技序盤ですでに夢見心地でした。

最後のジャンプも決まりますようにと祈りながら迎えた後半、美しいスパイラルからダブルアクセルを決めた瞬間、涙で目の前がかすんで演技がほとんど見えなくなりました。

そこからは最後まで涙が止まらず、演技が終わると会場からは温かいスタンディングオベーションが送られ、その光景にまた感動して涙を流しながら立ち上がって拍手を送りました。

得点も64点台と知子ちゃんに次ぐ高得点でしたが、何より美姫ちゃんのノーミスの演技を一度でいいから生で観てみたいという夢が叶ったことが嬉しくて、8年間フィギュアスケートを観てきた中で間違いなく一番幸せな時間でした。


そんな幸せの余韻に浸りながらも、まだまだ続く女子の熾烈な戦いを目の当たりにする女子ショートの続きは次回お伝えします。

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村